コンタクトレンズには、柔らかくて角膜より大きいソフトコンタクトレンズと硬くて角膜より小さいハードコンタクトレンズがあります。
それぞれに長所短所があるので、医師によく相談した上で選びましょう。
ソフトコンタクトレンズ
◎ソフトコンタクトレンズ
・装用感はよいが、乱視矯正効果が少ない
・つけ心地がよいため障害の初期に気付きにくい
・汚れやすく、アレルギーが起きやすい 。
ソフトコンタクトレンズは、異物感がほとんどなく初めての人でもすぐに慣れますが、乱視矯正効果はハードほどはありません。ソフトコンタクトレンズは素材によって含水率が異なります。含水率とは、レンズに含まれる水の量のこと。含水率が高ければ水分量が多く、酸素はこの水に溶け込むので、含水率が高いほど酸素がおおく含まれています。角膜に酸素を送る点から考えると含水率の高いSCLのほうが、安全性が高いと言えます。最近では、シリコン素材で採用したコンタクトが主流で、比較的低含水でも非常に多くの酸素を通すコンタクトが増えてきています。
ソフトコンタクトレンズの種類と特性
▶使い捨てコンタクトレンズ (ディスポータブルレンズ)
◎1日タイプ
1日使い捨てレンズは毎日新しいレンズを使用するので衛生的であり、ドライアイやアレルギー性結膜炎でも従来型レンズより安全に使用できます。
汚れがつく前に捨てケアも不要なため、SCLの中では最も安全に使用できます。
◎2週間タイプ
2週間交換レンズは頻回交換レンズともいわれ、一枚のレンズを今まで通りに使用して2週間後に新しいレンズと取り換えるもので、毎日のこすり洗いと洗浄、消毒は必ず行います。このタイプは酸素の供給が比較的高いうえ、汚れが固着する前に新しいレンズと交換するため、汚れによるトラブルの発生が少ないでしょう。しかし、安全なレンズだからと装用時間、装用期間やケアを怠る方が多く障害を起すケースが増えています。
◎遠近両用タイプ
遠近両用タイプは、遠方用の度数と近方用の度数の両方を併せ持つレンズです。普通のコンタクトでは、遠くは見えても近くが見づらい、また近くはコンタクトの上から近方用のメガネをかけていて不自由だと感じる方におすすめです。
▶従来型ソフトコンタクトレンズ(1年〜2年間使用するタイプ)
◎従来型ソフトコンタクトレンズ
「従来型レンズ」は長い間使用するため当然のことながら、汚れが蓄積します。使用期間は1〜2年間ですが、短いほどよいのは言うまでもありません。多少レンズが汚れていても「もう少し使える」「まだ大丈夫」と自己判断して無理に使い続けると障害を起す可能性があります。
ハードコンタクトレンズ
◎酸素透過性ハードコンタクトレンズ
・最も安全、障害が起きるとすぐ痛くなる
・涙液交換がよく、酸素の供給がよい
・異物感があり、取れやすく、ずれやすい。
ハードコンタクトレンズは、異物感があり、初めての人には慣れるまで時間がかかりますが軽度の乱視矯正効果があります。ハードコンタクトレンズは、酸素を通さないものと酸素透過性があり、今では酸素を通さないハードコンタクトレンズはほとんど使われなくなりました。一方、酸素透過性は素材が酸素を通すことと涙液交換によりソフトコンタクトレンズより角膜に十分な酸素が供給されます。このタイプのレンズは、酸素透過性の低いものから高いものまで種類は豊富。酸素透過性の高いレンズの方が安全性は高い一方、酸素透過性が高くなると「汚れやすい」といった欠点もあり、必ずしも酸素透過性が一番高いものが一番良いレンズとは言えません。