近視進行抑制点眼剤「リジュセアミニ」の処方を開始しました。
参天製薬のリジュセアミニ点眼液0.025%は、近視の進行抑制を目的とする点眼液です。
この製品は、低濃度のアトロピンを配合し、1日1回就寝前に点眼することで、眼の奥行き(眼軸長)の伸びを抑え、近視の進行を遅らせる効果が期待されます。
対象となる方
◎近視発症早期から治療開始することができる方
・具体的には屈折値が正視からマイナス側に振れだした方
・投与時の年齢制限はありません。
・投与時の近視度数に関する制限はありません。
◎長期間治療ができる方
・短期間で投与中止すると長期的には抑制効果が失われる可能性があるので、眼軸伸長が安定するまで治療を継続することが望ましいです。
・効果不十分の判定基準に関する統一見解はないが、短期間での判断は難しいです。
・近視進行抑制の治療効果の判定においては、年単位での評価が望ましいです。
・近視の進行が安定化する10代後半まで治療を継続することが望ましいです。
◎治療プログラムに従った通院・定期健診が可能な方
保険診療で「近視」を確認させていただき、プログラム開始とともに自由診療となります。その際、同意書に記入していただきます。
プログラムと治療費について
◎初回
・検査料(視力・屈折・眼軸長測定・前眼部・眼底・診察・処方料)5,800円
・点眼薬 1箱(30本入り) 1ヶ月分 4,380円
◎1ヶ月後
・検査料(視力・屈折・前眼部・診察・処方料)3,180円
・点眼薬 3箱(30本入り×3) 3ヶ月分 13,140円
◎3ヶ月ごと
・検査料(視力・屈折・前眼部・診察・処方料)3,180円
・点眼薬 3箱(30本入り×3) 3ヶ月分 13,140円
◎1年後
・検査料(視力・屈折・眼軸長測定・前眼部・眼底・診察・処方料)5,800円
・点眼薬 3箱(30本入り×3) 3ヶ月分 13,140円
初回と1年後の眼軸長測定の検査は予約制となります。
注意事項
◎リジュセアミニ点眼液は近視進行抑制剤であり、近視を改善させるものではありません。視力矯正機能はないため、近視の進行状況に応じて眼鏡等での視力矯正が別途必要です。
◎散瞳の影響により羞明、霧視があらわれる可能性があります。これら症状の発現時はその症状が回復するまでは以下の点に注意してください。
・落下の恐れがある遊具の使用、自転車・自動車の運転、機械類の操作は避けてください。
・羞明等の症状発現時に行うと危険だと考えられる活動(屋外のクラブ活動や球技等のスポーツ等)は避けてください。
・必要に応じてサングラスや調光レンズ眼鏡の着用等の対策を行い、太陽光や強い光を直接見ないようにしてください。
◎近視が著しく進行する小児期に近視進行抑制治療を速やかに始めることが重要です。
◎治療開始後は治療効果および安全性の確認のため、定期的に受診してください。
◎近視の進行が安定化する10代後半までは治療継続することが望ましいです。
◎近視の過度な進行を防ぐための生活習慣も重要であるため、以下の点に留意してください。
・近業作業時は眼を30cm離す。
・30分に1回は、20秒以上休憩する。
・1日当たり2時間の外遊び。
◎点眼治療中、近視に伴う診療(メガネ処方・コンタクトレンズ処方等)、リジュセアミニ点眼液の副作用に関連する症状が発生した場合は自由診療となります。
副作用
◎点眼後、散瞳の影響により羞明(まぶしく見える)、霧視等の副作用があらわれる可能性があります。
◎必ず就寝前に点眼するようにしてください。就寝前に点眼しても翌日までまぶしく見えることがあります。
◎他にも散瞳の影響により、視力障害(1~5%未満)・瞳孔障害(1~5%未満)・調節障害(1%未満)・グレア(1%未満)・頭痛(1~5%未満)の副作用があり、1%未満に眼瞼湿疹があらわれます。
参考
◎オルソケラトロジーは、近視の矯正が得られるだけでなく、装用開始2年間で近視進行をおおよそ32~63%抑制することが示されています。
◎低濃度アトロピン(リジュセアミニ点眼液0.025%)は、近視進行抑制はおよそ30~70%で、両者の併用により、より一層の近視進行抑制が可能と思われます。
(日本近視学会 参照)
詳しくは当院までお問い合わせください。